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Gokigen.com

伸びきった下着のゴムのように緩慢でくだらないブログ

「君を愛したひとりの僕へ」感想

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 人々が少しだけ違う並行世界間で日常的に揺れ動いていることが実証された世界―― 両親の離婚を経て父親と暮らす日高暦(ひだか・こよみ)は、父の勤務する虚質科学研究所で佐藤栞(さとう・しおり)という少女に出会う。 たがいにほのかな恋心を抱くふたりだったが、親同士の再婚話がすべてを一変させた。 もう結ばれないと思い込んだ暦と栞は、兄妹にならない世界に跳ぼうとするが…… 彼女がいない世界に意味はなかった。『僕が愛したすべての君へ』と同時刊行

”僕が”の方が表の部分だとしたら、こっちの”君を”の方は裏の物語だと思います。読み終わって”僕が”での最後の話などいろんなことが繋がりました。逆にこっちから読むと、時系列として続きを読むことになります。

こっちの話は生々しくてリアルで重たい感じがしました。そうなる運命だから変えることはできないとか、何かにとらわれてそれ以外を犠牲にしても死ぬまでやり続けるとか、本書の中だけではなく現実も似たり寄ったりでしょうか。ですがこちらの主人公も生きる意味を見出して夢中になっていたという意味では幸せだったのかもしれません。結果的に最後は間に合って良かった。

幸せについて考えさせられ、もう一度2冊共に読み返したいと思える作品でした。

君を愛したひとりの僕へ (ハヤカワ文庫 JA オ 12-2)