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Gokigen.com

伸びきった下着のゴムのように緩慢でくだらないブログ

「サバイバル宗教論」を読んでみた

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 目に見える政治や経済の動きを追うだけでは、世界は分からない。民族や国家の原動力となり、実際に世界を動かしているのは、しばしば目に見えない宗教だ。宗教を知ることは単なる教養のためではない。今後の世界を生き抜くために必須の智慧だ。禅宗寺院の最高峰、京都・相国寺で行った特別講義の全4回テキスト!

講義の内容を書いてある本なので話し言葉になっていて読みやすかったけれど、半ばくらいから歴史の知識が追い付かなくってしまい、気になるところだけ読む方法になってしまいました。前半の内容がすごく頭に残っています。

まず著者の生い立ちや家族や神学部での学びの話から始まっています。著者はこの神学を学んだことから外交官という道を選択したとあります。外交というのは人の気持ちや考えを理解することが大事ということに関係があるのでしょう。

続いて現実の世界情勢と宗教の関連性についてインテリジェンスとしての立ち位置から述べられています。中東の考察はすごいです。ニュースだけではわからない表に出てこないところでの力関係の様子が生々しく書かれていて少し恐ろしくなりました。これが外交のリアルなのでしょう。

政治についても人がやることなので、その人が幼いころから知らず知らずに接してきたものが宗教的なものとなってその人の判断基準になるということです。

それから救いや死について、文明社会の発展からお金の考え方などに触れて書かれていました。

 

はじめの方に神学の特徴と考え方についてまとめられてあったので抜粋。

 一つ目の特徴として、通常の学問では、論理、整合性が高い方、理屈が通っている方が論争に勝つんですが、神学論争では常に論理的に弱い方、無茶なことを言う方が勝ちます。その勝ち方というのは滑稽で、軍隊が介入して弾圧を加えるとか、政治的圧力を加えるという形で問題を解決するんです。つまり、神学は非常に強く政治と結びついています。

二つ目の特徴は、神学的思考は積み重ね方式ではないということです。

まさに世の中の理不尽とはこのことでしょうか。論理的に積み重ねていくことで真実を追求する科学や基準としての法律とは、対立する関係にあるように思います。人の気持ち一つで世界が動くことと宗教や思想というのは切っても切れない関係なのでしょう。

大事なことではあるけれど、なんだかきな臭いなーという感じですね。特に国際社会では何を信じていいかわからなくなる時があって、そこでどう踏ん張って生きていくか考えたときに、自分の基盤となるものがあれば前に進んでいけるのは大切なことだと思います。もちろん国内でも理不尽な思いをすることもあると思いますが。

そういった点で自分のことについてもじっくり考える良い機会を与えてくれた一冊でした。