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Gokigen.com

伸びきった下着のゴムのように緩慢でくだらないブログ

「白鯨との戦い」感想

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1819年、一等航海士オーウェン(クリス・ヘムズワース)と21人の仲間たちは、捕鯨船エセックス号で太平洋を目指す。やがて彼らは驚くほど巨大な白いマッコウクジラと遭遇し、激闘の末に船を沈められてしまう。3艘のボートで広大な海に脱出した彼らは、わずかな食料と飲料水だけを頼りに漂流生活を余儀なくされる。

原作は、メルヴィルの「白鯨」に隠された真実を描いた「復讐する海―捕鯨船エセックス号の悲劇」で実話のようです。ただ白鯨と戦うだけではない考えさせる映画でした。時代背景は1800年代の捕鯨産業で、この時代の捕鯨産業から日本への黒船襲来に繋がったそうです。

マッコウクジラの映像がリアルすぎて迫力があります。海で実際にこんなのに出会ったら恐ろしさと好奇心で震えそうです。尻尾を海面にわざと打ち付けるシーンとか、ブリーチするシーンとか、目がギョロっとするシーンとか、すごいです。

クジラはその半端ない大きさから神秘的な生き物に見えてしまいます。その中でもさらに生きが良くて元気でずる賢くて、単独で暴れ回るような個体も実際にいたということでしょうか。恐ろしい。

 

捕鯨は命懸けで行っていたことがよくわかるリアルな生死が描かれています。漂流して食料がなくなった結果くじ引きで人が食料になっていくとか。船から投げ出される感じとかも眉を細めながら引き込まれて見てしまいました。映画や小説などの記録になっていなくても、漂流してそのまま帰ってこなかったこともあったのだろうと推測できます。船に乗って長い間航海することは現代でもリスクは高いですが昔の設備となるとなおさらですね。

それにしてもあの木の船で何年も航海して、小舟でクジラにモリを投げる昔の人を尊敬します。日本ではクジラに飛び乗っていたとか聞いたことがあります。誰しもが環境に合わせてある程度できるようになるとは言いますが、現代とは身体的逞しさのレベルが違いますね。

 

人間がちっぽけな存在に見えてきます。航海士の言葉にもありましたが、人間は特別な生き物でも何でもないと思い知らされます。地球を支配していると思っていること自体が全くもって愚かなことなのでしょう。

漂流中に白鯨が何度かつけてきますが主人公がモリを打たずに見送り、それ以後白鯨が襲ってこなかったというところが深いですね。人間が利益のためだけに乱獲したことに対して、人間よりも精神的レベルの高いクジラが教えてくれたような形でしょうか。

 

なんとかナンタケットに寄港してから、金持ちボンボンでプライドだけ高かった船長が、その後の諮問会議で真実を歪めずに語るところが気持ち良かったです。利権のために嘘をつけとそそのかす老人たちはいつの時代もいるんですね。

映画の最後のセリフで、地面を掘っていたら油が出たと言っていました。石油が出るまでは鯨油だったのですか。勉強になりました。