読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Gokigen.com

伸びきった下着のゴムのように緩慢でくだらないブログ

「白鯨 」感想

「白鯨(上) 」感想

f:id:Cp7N2Rdr:20161121143513p:plain

船乗りのイシュメールは、宿屋で意気投合した銛手クィークェグと共に捕鯨船ピークォド号に乗り組んだ。そこにいたのは用心深いスターバック、楽天家のスタッブ、好戦的なフラスクらの運転士や、銛手のタシテゴーとダッグー。そして、自分の片脚を奪った巨大なマッコウクジラ“モービィ・ディック”への復讐に燃える船長のエイハブ―。様々な人種で構成された乗組員たちの壮絶な航海を、規格外のスケールで描いた海洋冒険巨編!

自分は角川文庫のものを読みましたが他の文庫からも出ているようです。翻訳者が違うみたいですね。一度は読んでみたいメルヴィルの「白鯨」です。

この本の特徴を一言で言うと”ものすごく読みにくい”。文体が古典なのか現代文なのかよくわからないような感覚でした。特に前半は比喩表現が現代人には理解しにくかったので、何を例えているのかよくわからずにサラサラ読み流すしかないと思います。時代背景、地理感覚、船、キリスト教、クジラの種類や生体などの、事前知識がないと最初の50ページくらいで読むことをやめてしまいそうなくらいです。最初に出てきた人物が途中から出てこなくなったりしてごちゃごちゃしています。

ですが後半からは、登場人物の感覚がなんとなく掴めてきたのと、話の展開が出てきて面白くなってきて惹き込まれていきました。上巻全体としては、これから白鯨と戦いに行こうとするまでの内容でした。

「白鯨 (下) 」感想

f:id:Cp7N2Rdr:20161218155746p:plain

船長・エイハブの片脚を奪った、巨大で獰猛な白いマッコウクジラ“モービィ・ディック”に復讐を果たすため、過酷な航海を続ける捕鯨船ピークォド号。「雪の丘のような瘤!モービィ・ディック!」―様々な国の捕鯨船との出会いで情報を得た末、ついに一行は赤道付近で目標を発見する。乗組員たちと、常識を超えた巨大な海獣との、熾烈な戦いの結末は?多様な象徴にあふれた叙事詩的海洋冒険巨編、ついに完結!

途中で何回か挫折しそうになったけれど何とか読み切りました。はやく読み終えたい一心でなんとか読破しました。達成感があるのと同時にものすごく疲労感があります。本当に読みにくい名作でした。思っていた最後とは違う衝撃のラストで驚きました。

一回読んだだけでは大まかな物語しかわからなかったけれど、読み直すとまた新しい発見があるような本ではないかと思います。読み直す気があればだけれど。

 

鯨の学術的な説明がかなり多くて、ストーリー展開は全体の2.3割くらいの感覚です。 関連する映画を見てから読んだので情景がイメージしやすかったけれど、事前情報が全くなかったらよくわからないと思います。特に捕鯨の方法については文章で読んだだけではよくわからないので、映像や絵で見た方がわかりやすいと思います。調べながら読むことになると思うので、読み終えたときには、鯨について特にマッコウクジラについて詳しくなると思います。

 

本書には鯨捕りの地位が低く見られていることに対する憤りがあると感じられる文が多くありました。生活の役に立つ大事な仕事ではあるのにキレイな仕事とは思われていなかったようです。今の世の中でも似たような性質の仕事はあると思います。

昔は鯨をかなり貴重なものと認識していたことが読むとよくわかりました。イギリスでは鯨は無条件で国王のものということだったそうです。

昔の人は鯨という大きな生き物や広大な海を相手にしていたことで、何か達観したかのような感覚があったのだと思います。人間は特別でも何でもないという感じでしょうか。

 

名作と言われる理由は少し理解できたと思います。著者が経験者だけにリアルで惹きこまれる描写はすごいです。長く辛かったけれど楽しく読めました。