読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Gokigen.com

伸びきった下着のゴムのように緩慢でくだらないブログ

「理想のヒモ生活」感想

「理想のヒモ生活」感想

f:id:Cp7N2Rdr:20170129115943p:plain

 山井善治郎は、現代日本を生きる若手サラリーマン。ある日の朝。善治郎は突然、恐竜が闊歩する亜熱帯の異世界―カープァ王国に召喚されてしまう。召喚したのはカープァ王国女王、アウラ一世。善治郎を召喚した女王アウラは、善治郎に「自分と結婚して、こちらの世界で暮らして欲しい」と申し出る。理由は、善治郎が『百五十年前、異世界に愛の逃避行を図ったカープァ王族の末裔』だから。国内の貴族にも、王家の血を引く婚約者候補はいるのだが、彼等を婿に迎えれば、『男尊女卑』の毛色が強いカープァ王国では、女王と王配の間で権力闘争が起きる可能性が高い。そのため、善治郎に求められることは「できるだけ、何もやらないこと」…!?。「小説家になろう」総合ランキング第1位書籍化。

率直に面白かった。異世界に移転する主人公とハーレムというラノベっぽい設定だけれども、世界観の細かい作りこみと整合性のある展開が多く、一般小説として見ても楽しめると思います。ファンタジーだけど実際に自分が体験しているような感覚にさせてくれる文章で、特に情事の書き方が上手いです。安っぽい表現があまりなくストーリー展開もテンポが良くて読みやすいです。続けて読んでいきます。

「理想のヒモ生活 2」感想

f:id:Cp7N2Rdr:20170129230338p:plain

女王アウラのプロポーズを受けた山井善治郎が、異世界に来て、二ヶ月。結婚式以降、後宮で穏やかな日常を満喫していた善治郎であったが、長くは続かない。社交界デビュー、側妃問題、異世界の風土病の発病など、それまでの平穏のツケを払わされるかのように、頻発する諸問題。これまでとは一転して、慌ただしい日々を過ごす善治郎に、ある日、南大陸中央部の大国、シャロワ・ジルベール双王国から、極秘の書状が届く。その書状に記されていた驚愕の内容とは?女王アウラと善治郎の行く末は?「小説家になろう」ランキングNo.1作品の待望の第2巻。書籍でしか読めない新章、新たなエピソードも付いてドキドキ・ワクワクがさらにパワーアップ。

 もはやヒモであるけれども完全なヒモではないという立ち位置になってきましたね。どこで何をしていてもそれなりの人間関係があってそれに悩みながらも前に進まなければならないというリアルさがありました。きっと著者は真面目な方なのでしょう。王国内の権力者同士の力関係や外交問題といった描写を見ると、著者に国政や組織運営の知識や経験がないと書けない内容だとも思いました。

「理想のヒモ生活 3」感想

f:id:Cp7N2Rdr:20170130175432p:plain

 善治郎が女王アウラの元に婿入りしてから一年。王都では二人の間に生まれた王子の生誕を祝う大規模な祭りが繰り広げられていた。明るい知らせに、わき立つカープァ王国。しかし、そんな時、女王アウラの元に一つの不吉な知らせが届く。ガジール辺境伯領に、今年の塩が届いていないという。原因究明と事態の解決のため即座に指令を飛ばす、女王アウラ。一方、後宮では、善治郎が、暇を持て余しはじめていた。暇に飽かせて、石けんや蒸留酒の製造に取りかかる善治郎。完成までの道のりは遠いが、順調に進むもの作り。しかし、そんな善治郎をも巻き込む大事件が起こる。3巻も書籍でしか読めない新章、新たなエピソードを収録してグレードアップ。

 事件発生からの王国内の動きと軍部の動き、現場での臨場感のある描写など、なぜか読み進めてしまう内容でした。この巻での一番の面白さは、元の世界である日本から持ってきた品物や知識を異世界で活かし始めるところだと思います。技術面での格差が大きければ大きい程インパクトが大きくなるのでしょう。特別なイベントがたくさんあるわけではないのにも関わらず、日常の中での工夫している描写だけでも面白いです。

「理想のヒモ生活 4」感想

f:id:Cp7N2Rdr:20170131160126p:plain

 ついにフランチェスコ王子とボナ王女が来訪する。朗らかに笑いながら、トラブルを連発するフランチェスコ王子と、その王子に代わって頭を下げて回る、生真面目で気弱なボナ王女。軽率な言動を連発するフランチェスコ王子に、善治郎は振り回されがち。そんな日々を過ごしている善治郎に、ある日、衝撃的な報告が入る。愛息、カルロス・善吉王子が発病。しかし、貴重な魔道具『治癒の秘石』の使用は認められない。そこに、フランチェスコ王子が「自分が持っている『治癒の秘石』をカルロス王子に使ってもよい」と提案してくる。そこでフランチェスコ王子の「血筋」が明らかになる―。

 血筋魔法の流出という国防に関わる背景から王国の外交が動き出しました。動き出したとはいえ何か事件が起きるような展開ではなく、徐々に秘密が明らかになる中での情報戦と駆け引きがメインでした。会話の中での気の緩みや相性の良さから警戒心が薄れてしまったりと、外交はすごく難しいことだなとつくづく思います。そんな悩める様子が上手く表現されているのでスラスラ読み進めることができました。もう完全にヒモではないですね。

「理想のヒモ生活 5」感想

f:id:Cp7N2Rdr:20170201164744p:plain

 カープァ王国最大の港、ワレンティア港に突如現れた大型帆船。それは、北大陸ウップサーラ王国から予定外に流れ着いた船だった。ウップサーラ王国第一王女フレア・ウップサーラと名乗るその少女は、カープァ王国との国交を求める。王都を離れられない女王アウラに代役として、ワレンティアの街へ跳ぶ善治郎。一方、塩の街道では、プジョル将軍の指揮の下、大規模な山狩りが始まっていた。プジョル将軍の的確な指示の元、徐々に追いつめられていく群竜達。追いつめられた群竜達は、西の山へと逃げ込む。塩の街道の西側は、いくつかの山を挟んでワレンティアの街に続いている。ワレンティアでフレア姫一行と対面を果たす善治郎だったが―。

 主人公の単身赴任中の話で山狩りもやっと収束に向かいます。展開がゆっくりだったので長く感じてしまいましたが、政治的な身の振り方と心の描写が面白いためになぜか読み進めてしまいます。この巻自体は盛り上がりに欠ける感じでしたが次の巻での展開に期待。アウラとの日常と日本の技術の活躍が見たいです。

「理想のヒモ生活 6」感想

f:id:Cp7N2Rdr:20170202214550p:plain

 プジョル将軍は、女王アウラにガジール辺境伯家長女ルシンダ・ガジールとの結婚許可を申し出る。中央の有力貴族であるプジョルと、地方の大領主であるガジール辺境伯家の娘の婚姻は、本来ならば許可できないもの。しかし、女王アウラは、その婚姻を認める。結婚式会場はガジール辺境伯領。王都を離れられない女王アウラの名代として、善治郎がその式に参加することに。そんな中、王都にフレア姫一行が到着する。結婚式の話を聞いたフレア姫は、善治郎のパートナーとして、自分も式に出席したいと申し出る。つまりそれは、フレア姫から善治郎に向けた事実上の求婚―。善治郎の答えは?そしてアウラとの夫婦関係は!?

 政略的な側室とはいえ、正室からすると頭では理解はしていれも良い気はしないのが人情でしょうか。表向きは認めてはいても、やはり最後は感情が勝ちそうな気がします。江戸時代とかの大奥がこの小説でいうところの後宮と少しだけ似ているような気がします。次の巻でもそのあたりは穏便に進んでほしいところです。一夫一妻制がどれだけ争いを避けるのに役立っているかよくわかりました。

「理想のヒモ生活 7」感想

f:id:Cp7N2Rdr:20170203164250p:plain

 結婚式に出席するため、ガジール辺境伯領へとやってきた善治郎とフレア姫。そこで待っていたのは、ガジール辺境伯家次女と名乗る少女ニルダだった。アウラからの事前情報では、ガジール辺境伯家の娘はルシンダー人のはず。警戒感を抱く善治郎。その数日後に問題が発生する。ナバラ王国使節団の騎士ライムンドが、誤って立ち入り禁止区域に足を踏み入れてしまう。その一件をきっかけに事は次第に大きくなっていく。事態の悪化を回避するために、善治郎が奮闘。解決への協力をフレア姫に要請する。そのことで心理的な距離が近づいたフレア姫は、善治郎に対するほのかな恋心を自覚するのだが―!?

 些細な揉め事に色んな事情が絡み合って大きな問題になってしまい、それをできるだけ穏便にまとようと奮闘する話がメイン。この巻でも心理的が多く書かれていたと思う。面白かったけれどちょっと話の展開がゆっくりなので個人的には次の巻で色んな動きがあってほしいと期待します。

「理想のヒモ生活 8」感想

f:id:Cp7N2Rdr:20170204183742p:plain

 ガジール辺境伯領から無事、王都に帰還を果たした善治郎を待っていたのは、妻アウラの『妊娠の可能性大』という吉報であった。妻アウラの第二子出産時に、治癒術士を連れてくるため、善治郎は今まで以上に『瞬間移動』の練習に励む。また、王都にやってきたガジール辺境伯とその娘ニルダは、改めて『名簿』にニルダの名前を登録し直す。その頃女王アウラの元には、後宮侍女の第二次募集用紙が到着。その中には、ニルダ・ガジールの名前もあった。ものづくりも順調に進み、ビー玉の製造計画もついにスタート。他にも方位磁針の開発、蒸留酒の量産も本格開始。そして、善治郎はついに『瞬間移動』の発動に成功するのだが―。

 実際は緊張感のある外交の舞台であるのにも関わらず、ものすごく平和な印象を持って読み進めることができるのは著者の腕だと思います。主人公が平和主義者でヒヤヒヤせずにハッピーエンドを期待して楽しめます。この巻では科学的な進歩や今まで通りのくどくない具合のモテ要素もあり、徐々に展開が進んできました。次の巻に期待。