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Gokigen.com

伸びきった下着のゴムのように緩慢でくだらないブログ

「幼女戦記」感想

 「幼女戦記 (1) Deus lo vult」を読んでみた

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戦争の最前線にいるは幼い少女。金髪、碧眼そして白く透き通った肌の幼女が、空を飛び、容赦なく敵を撃ち落とす。幼女らしい舌足らずさで軍を指揮する彼女の名はターニャ・デグレチャフ。だが、その中身は、神の暴走により幼女へと生まれ変わることとなったエリートサラリーマン。効率化と自らの出世をなによりも優先する幼女デグレチャフは、帝国軍魔導師の中でも最も危険な存在へとなっていく―。

ライトノベルだけど前提知識がないと読みにくいヘビィなノベルでした。歴史や思想などの基礎知識があっても軍事的な用語は調べながら読まないといけない小説。中高生には難しいのではないかと思います。ただ内容は面白いです。

組織論や人間観についてかなり深い描写があるので勉強になりました。幼女の可愛らしい心理要素は全くありません。ガチの血なまぐさい人間模様です。

本だけでは難しいかもしれないのでアニメと並行して読み進めることをお勧めします。

「幼女戦記 (2) Plus Ultra」を読んでみた

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金髪、碧眼の幼い少女という外見とは裏腹に、『死神』『悪魔』と忌避される、帝国軍の魔導大隊の指揮官、ターニャ・デグレチャフ魔導少佐。大軍を烏合の衆と嗤い、懸命の抵抗を蹂躙し、焼けといわれた街を焼く。彼女の姿は、帝国軍という暴力装置の矛先として先陣にあった。各国の思惑が入り乱れ、激化する戦局の中で、帝国軍参謀本部は、勝利の秘訣は、『前方への脱出』のみと確信する。

1巻を読み終えるとある程度の知識が頭に入るので2巻が読みやすくなった感覚がありました。話の内容と雰囲気が掴めていることもあってか前巻よりはスラスラと読めたと思います。最後に一瞬だけ萌え要素があったけれど他は真面目な戦記もので歴史の勉強にもなりました。戦況としてはいよいよ大きな混沌の入り口に差し掛かった辺りでしょうか。次巻以降はもっと末期感が出てきそうな気配がします。

「幼女戦記 3 The Finest hour」を読んでみた

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 金髪、碧眼の幼い少女という外見とは裏腹に、『死神』『悪魔』と忌避される、帝国軍の誇る魔導大隊指揮官、ターニャ・デグレチャフ魔導少佐。戦場の霧が漂い、摩擦に悩まされる帝国軍にあって自己保身の意思とは裏腹に陸、海、空でターニャの部隊は快進撃を続ける。時を同じくして帝国軍は諸列強の手を跳ね除け、ついに望んだ勝利の栄冠を戴く。勝利の美酒で栄光と誉れに酔いしれる帝国軍将兵らの中にあって、ターニャだけはしかし、恐怖に立ち止まる。

戦争に対する考え方を学べる巻だと思います。最終目的は何なのか、完膚なきまでに叩きのめすことが目的なのか、平和を取り戻すことが目的なのか。内容では戦いを終わらせるタイミングを見失って勢いに乗った民意とともに国と軍が暴走ぎみになっていきます。外交政策で血を流すことを防げたのにもかかわらず勝利という麻薬が抜けきらないとはこのことなのでしょう。特に勝った側が考えないといけないことだと思います。リアルの欧州戦線だけでなく太平洋戦争でもそうだったのでしょう。

「幼女戦記 4 Dabit deus his quoque finem」を読んでみた

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愛くるしい幼女の外見をしながらも
『悪魔』と忌避されるは、
帝国軍の誇る魔導大隊指揮官、ターニャ・フォン・デグレチャフ魔導少佐。
砂塗れの南方戦線から帰還するや否や、
待構えていた参謀本部より彼女に発令されたのは、胡散臭い『演習命令』。
それは、連邦領への極秘裏に遂行される越境作戦。
そこで目の当たりにしたのは……誰もが、ありえないと信じて疑わなかった連邦の参戦。
その幻想は、放たれる列車砲の一弾と共にかき消される。
帝国は、戦うしかない。世界の全てを敵に回しても。
もはや勝ち続ける以外に道はない。
その先にあるのは不朽の栄光か、栄光の残照か。
答えは、ターニャ・フォン・デグレチャフだけが知っている。

 連邦が動き出して東部戦線が始まりました。まず初めにシカゴ学派の資本主義者であるターニャが共産主義である連邦の本山であるモスコーを強襲してやりたい放題します。独裁者のプライドを折るかなり爽快で気持ちの良いシーンがありますが、それがきっかけで連邦軍が本格的に動き出し、西部戦線や南方戦線も加えて史実の第二次世界大戦の泥沼のような状態へと突き進んでいきます。これから実際の歴史とどのような違いが出てくるのか、ターニャの活躍が楽しみです。

「幼女戦記 5 Abyssus abyssum invocat」を読んでみた

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 金髪、碧眼の愛くるしい外見ながら
『悪魔』と忌避される
帝国軍のターニャ・フォン・デグレチャフ魔導中佐。
冬までのタイムリミットを約二ヶ月と見積もった
帝国軍参謀本部は積極的な攻勢か、越冬を見通した戦線再構築かで割れていた。
激論の末に導き出された結論は、攻勢に必要な物資集積の合間での『実態調査』。
実行部隊として、ターニャ率いるサラマンダー戦闘団は白羽の矢を立てられる。
進むべきか、踏みとどまるべきか?
逡巡する暇はない。
地獄が地獄を呼び、止めどなく激化してゆく戦争。
誰もが、守るべきものを心に抱き戦場に向かうのだ。
すべては「祖国」のために。

巨大な輸送艦を襲撃する作戦は好奇心がそそられましたがターニャの部隊がここにきて初の消耗が生じます。完璧無双じゃないあたりがほどよく現実味があって良かったです。強くても苦戦を強いられる戦線になってきたことを物語っています。戦闘団を編成したのでターニャ自身が前線で活躍するよりも指揮を執ることが多くなってきました。そして東部戦線が長期化模様で消耗戦に突入します。最後に名言を。「善良な個人として嫌悪し、邪悪な組織人として推進しよう」

「幼女戦記 6 Nil admirari」を読んでみた

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生存とは、いつだって闘争だ。
帝国軍、ターニャ・フォン・デグレチャフ中佐は極寒の東部戦線において文字通りに原初的な事実を『痛感』していた。
精緻な暴力装置とて、凍てつき、動くことすら、骨を折る季節。
なればこそ、冬には策動の花が咲く。
矛盾する利害、数多の駆け引きが誰にも制御しえぬ混迷の渦を産み落とす。
誰もが嘆く。こんなはずではなかった、と。
さぁ、覚悟を決めよう。
何事も、もはや、驚くには値しない。

 今さらながらですが、よくある企業での諸問題などの史実以外の分野にも応用できるよう説明されているので、読むだけで勉強になります。生存競争は分野が変われども人間の脳が判断することになるので似たり寄ったりなのだと思い知らされます。この巻はあまり動きがなく小競り合いと政治的な思惑が多く書かれていました。長期戦ジリ貧模様を如何に脱出するか、総力戦へ突き進むのか、次の巻で大きく動き出しそうです。

「幼女戦記 7 Ut sementem feceris, ita metes」を読んでみた

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東部戦線の不毛な泥濘の上とて砲火は途絶えぬ。

第二〇三魔導大隊を中核とするサラマンダー戦闘団もまた、
その狂騒に投げ込まれた歯車の一つ。

よかれ、悪しかれ、蒔いた種は刈り取らねばならない。
戦争当事者ならば、誰が祈らずにはおれようか。
せめて、豊かな勝利の恵みがあれかし、と。

故に誰もが努力し、工夫も惜しまない。
だから、誰もが、蒔いた種の刈り入れを願う。
どこに蒔いたのかも自覚せず、ただ『勝利』を、と。

 これで既巻をやっと読破しました。長かった。しかしまだ物語は終わっていません。次は西側で大国が動き出すのでしょうか。幼女戦記という物語の最後はどうなるかはまだ予想できません。

本巻の途中までは史実に似ていたけれども勝敗はターニャ率いる戦闘団の活躍により完全なフィクションになりました。垂直包囲はお見事。最後では、勝利の美酒にて酔いすぎた政府国民世論が更なる獲物を欲しがります。まさにギャンブル中毒のような症状です。平和は何処へ。胃が痛くなります。営業成績をこなすと次からそれが普通になるような感覚ですね。働いている人には共感してもらえるのではないでしょうか。