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Gokigen.com

伸びきった下着のゴムのように緩慢でくだらないブログ

「矢倉囲い」お堅い伝統と言えばこれ。

矢倉囲いは、将棋における代表的な囲いの一つで、主に相居飛車や相振り飛車のように玉頭付近が戦場となる戦いで使用されます。長く将棋愛好家から親しまれているため、単に「矢倉」と友達のように呼び捨てされることが多いです。お堅いイメージもあります。

(図1)矢倉囲い

とにかくこの戦型を指さないと「常識に反する!」と大人から怒られてしまうそのオーソドックスさから、「矢倉は将棋の純文学だ」と称した人もいました。居飛車の定跡にはしつこいくらい登場するので、「もう矢倉なんか見たくないよ」と思う人もちらほらいたとか。適度な距離感を保って接する方が長い付き合いができると思います。

居飛車で矢倉囲いを構築するにはすごく手数がかかります。まるでお肌の手入れのようにです。特に角を上手く移動させて脱出させないといけないのが難点でもあります。一度囲いが構築されるとお城にランクアップするため、玉を8八の地点に移動させることを「矢倉城に入城する」とも言います。

初心者のうちによくあるのは、矢倉囲いを悠長に作っているうちに相手に攻められてしまい、完成前に崩壊してけちょんけちょんにされてしまうという大失態です。せっかく矢倉城を作ったのに中に入れさせてもらえず、まったく活用できない場面もしばしばあるでしょう。臍を噛むとはまさにこのことです。ポイントを押さえて相手の様子を見ながら柔軟に対応しましょう。

振り飛車党が使用する場合には、右辺に組み立てていくことになるため、見たまんまの形で「右矢倉」と呼ばれます。居飛車の矢倉と比べて金が一枚少ない形にすることが多いです。相振り飛車の戦いにおいては、よく相手の飛車がぶらぶらと宙に浮いてくることがあるので、矢倉囲いで上部を圧迫して厚みで勝負する方法もあります。

金銀が上に固まっているので、上部や右斜め前からの攻撃に強いのが特徴です。分厚い鉄鋼でできた戦艦の装甲のように堅いため、突破しようとする相手も無傷では済まないでしょう。ただ最近は研究し尽くされてきているため、熟練者相手には一つ間違えるだけで貫通ミサイルで瞬殺されてしまう脆さも秘めていますが、初心者同士ではまったく問題ありません。
それとは逆に、横からの攻めや端の攻めに弱いとされています。裏に回り込まれたりと捻った攻撃を受けると「なぜ正面からぶつかってこないのだ!それでも男か!」と叫んだりしますが、戦いは非情であるため、あっと言う間にやられてしまう弱さも持ち合わせています。真面目なのですが、頭隠してお尻隠さずなのです。無防備なお尻をつつかれると一瞬で社会的に終わります。

ですが、この弱点をプレイヤーの柔軟さで対応できる汎用性も持ち合わせています。潜在的スペックは高いのです。このベーシックな矢倉囲いから更なるレベルアップを施したり、微妙に変形させたりしながら、柔軟に戦局に対応していきましょう。要は使う人次第です。豚に真珠にならないように頑張りましょう。