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Gokigen.com

伸びきった下着のゴムのように緩慢でくだらないブログ

「恋文の技術」感想

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 一筆啓上。文通万歳!――人生の荒海に漕ぎ出す勇気をもてず、波打ち際で右往左往する大学院生・守田一郎。教授の差し金で、京都の大学から能登半島の海辺にある実験所に飛ばされた守田は、「文通武者修行」と称して、京都にいる仲間や先輩、妹たちに次から次へと手紙を書きまくる。手紙のなかで、恋の相談に乗り、喧嘩をし、説教を垂れる日々。しかし、いちばん手紙を書きたい相手にはなかなか書けずにいるのだった。

手紙を書いてみたくなるそんな一冊でした。読んでいるとすごく楽しそうにしている様子がありありと浮かんできました。そして最後の結末はなんともリアリティのある現実的な結論だったと思います。文通とはそういうものでしょう。わざわざ言葉を直接的に表現しなくとも、日本的奥ゆかしさから察することも大切だと教えられました。