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Gokigen.com

伸びきった下着のゴムのように緩慢でくだらないブログ

「聖なる怠け者の冒険」感想

 [森見登美彦]の聖なる怠け者の冒険 (朝日文庫)

一年ほど前からそいつは京都の街に現れた。虫喰い穴のあいた旧制高校のマントに身を包み、かわいい狸のお面をつけ、困っている人々を次々と助ける、その名は「ぽんぽこ仮面」。彼が跡継ぎに目をつけたのが、仕事が終われば独身寮で缶ビールを飲みながら「将来お嫁さんを持ったら実現したいことリスト」を改訂して夜更かしをすることが唯一の趣味である、社会人二年目の小和田君。当然、小和田君は必死に断るのだが…。宵山で賑やかな京都を舞台に、ここから果てしなく長い冒険が始まる。

主人公が怠け者というのは面白い逆転の発想だと思いました。休みたい主人公の所へ冒険という名の人達や組織や事件が入り乱れていきます。祇園祭に足を運びたくなる一冊。

最後の方では不思議な世界が入ってきて華麗に伏線が回収されていき、前半のドタバタ劇が全てパズルのように繋がりました。なのでこの小説は後半が特に面白かったです。また、登場人物が話す言葉には哲学的な含みがあって勉強になります。これだけ多々ある設定が最後にカチッとはまるのは筆者が途中で苦労したからでしょうか。そんなこともあとがきに書いてあったような。